ギャラリー広田美術では2026年7月3日(金)-7月18日(土)まで狩野宏明の個展を開催致します。
狩野宏明は筑波大学で博士号を取得後、文化庁の海外研修でフィレンツェに2年間滞在、現在は制作をしながら東北芸術工科大学の准教授とし て活躍している大変優秀な作家です。
2022年に地元である山形に拠点を移し、近年は東北地方の神社仏閣や教会、明治・大正時代の洋館を巡り「文化の混淆」をキーワードに制作を してきました。
本展では狩野が強い印象を受けたと話す泉鏡花の小説を中心に日本神話やギリシャ神話の女神たちをモチーフに描き出した作品を展示いたし ます。
個展の主題ともいえる泉鏡花『山海評判記』(1929年)に描かれる姫神様は、女神という単なる優美なものではなく、自然そのものが人格を帯 びたかのような気高さと神秘性を宿し、人知の及ばない畏れを感じさせる存在です。
個展タイトルにある「姫神様を知らないか」は姫神の使者が放つ挑発的な⾔葉から引⽤しており、実際にゆかりの地を訪れて取材を重ねた彼自身の感情を重ね合わせたような⾔葉選びになっています。
狩野はここ数年、科学技術が加速度的に進展する現代においてもなお、人が霊性を求め続ける心の在り方に関心を抱いていました。
本展では文学や神話の中にある現実と幻想、また彼が取材を通して感じた人間性と霊性が地続きに混ざり合う感覚を描き出そうと試みた新作を発表いたします。
80号の大作をはじめとする約10点の新作を展示いたしますので、ぜひご高覧くださいますようお願い申し上げます。